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三田のガウディ(岡啓輔)の場所は?自力でビルを建てる男とは

『バベる!自力でビルを建てる男』の著者で、セルフビルドでビルを13年間建て続けている「三田のガウディ」岡啓輔さん。都心の真ん中という場所に、一向に完成しないビルを作り続けていることから、三田のガウディと呼ばれています。独創的なビルを一人で建て続ける三田のガウディはどのような人なのでしょうか。ビルを見てみたい!という方のために場所の調べ方や著書「自力でビルを建てる男」についても調べてまとめてみました。 

三田のガウディ 一級建築士・岡啓輔さん


引用:蟻鱒鳶ル保存会
ガウディの「サグラダ・ファミリア」を彷彿とさせる、
東京都港区三田で、13年間未完成のまま、いまも建て続けられているビル
この建物を一人で建て続けているのが「三田のガウディ」と呼ばれてる岡啓輔さんです。


岡さんは1965年に福岡県でお生まれになりました。
小学生の頃には、秘密基地作りをよくしていたそうです。
福岡県大牟田市の有明工業高専建築コースに入学して、建築を学ぶようになり、
卒業後には地元の住宅メーカーで会社員として勤めていたそうです。


その後、会社を辞めて、20代前半で上京し、建築現場で働いていたそうです。
その頃に貯まったお金で、自転車で各地の建築行脚をされていたそうです。
そして、30才で一級建築士の資格を取得されたそうです。
将来的に自分で家を建てようと、住宅メーカー、土木作業員、鳶職人、鉄筋工、型枠工、土工などの仕事を順番に計画的に経験されてきたそうです!


セルフビルドを学ぶ場として夏期に開講されている高山建築学校には、
生徒として20年以上通われて、2001年からは運営にも携わっていらっしゃるそうです。
「高山建築学校」は今年2018年にも8月10日から20日まで開講されますが、岡さんも講師として参加されます。

ビルの名前は「蟻鱒鳶ル」 場所はどこ?

2005年に着工され、旧約聖書に登場する「バベルの塔」をイメージして建てているというビル。
実はgoogleマップで検索すると出てきます。
その時の調べ方はこのビルの名前をいれるだけ。
そう、この未だ完成していないビルは、すでに名前がつけられているんです。


その名も「蟻鱒鳶ル」アリマストンビルと読むそうです。
岡さんのご友人が考えた名前だそうで、蟻(あり)、鱒(ます)、鳶(とんび)と、陸、海、空が揃っている名前。名前もなんだかすごいですね。
そして、この「アリマストンビル」という名前で検索すると
[googlemaps https://www.google.com/maps/embed?pb=!1m18!1m12!1m3!1d3242.267773161717!2d139.74005817935435!3d35.64577378029962!2m3!1f0!2f0!3f0!3m2!1i1024!2i768!4f13.1!3m3!1m2!1s0x60188b3ec2b4fc9b%3A0x2c8611ef0b0da725!2zQVJJTUFTVE9OIEJsZGcg44Ki44Oq44Oe44K544OI44Oz44OT44Or!5e0!3m2!1sja!2sjp!4v1532698098280&w=600&h=450]
都営地下鉄の三田駅から徒歩で数分の聖坂の途中にあるそうです。

基本的には一人で

土地を買ったときから、「自分の家は自分で作るものだ」と思ったという岡啓輔さん。
ときどき、ご友人や学生さんがお手伝いにくるそうですが、基本的には一人で作業されているそうです。


最初から一人で建てようとしていたわけではなく、結果的に一人で建てるということになっているそうです。

土地は現金払い 資材はホームセンターで 

ご自身が奥様と住むために建てていらっしゃる「アリマストンビル」。
不動屋さんで、1550万円まで値切った土地を現金で購入されたそうです。


ビルの資材は、セメント、水、鉄筋などほとんどのものはホームセンターで購入していて、
砂利と砂は業者から買っているそうです。


ホームセンターでは毎月数万円分の資材を購入しているそうです。
土地も建物も奥様と折半で資金をだしているそうですよ。
重機などは使わず作業されているそうで、本当に手作りのビルですね。


特にこだわっているのがコンクリートだそうです。
現代ではあまり使われないタイプのコンクリートを使っていて、
上質な砂とジャリを用いて、水セメント比37%とのことで・・・私にはよくわかりませんが、
明治時代の文献を元にしたという昔ながらの製法のコンクリートだそうです。
ちなみに通常の建築用コンクリートは55%から60%だそうです。
岡さんは「超ストイックコンクリート」と呼んでいます。
この超ストイックコンクリート、とある研究家さんが「200年以上保つ」と言っていたとか!
水分量が少ない分、頑丈ということなのですかね。

アリマストンビルは住宅用

独創的、個性的な外観の建物ですが、もともとご自身のお住まいになる家として建て始めたビルです。
これほど話題になってはいますが、完成後は奥様と二人で引越してお住まいになる予定だそうです。
いまは近くで賃貸アパートを借りて暮らしていて、現場に通っているのだとか。

正確な完成図というものはなく、即興的にその都度デザインしているということで、
当初竣工予定は2009年だったとか。
実際の完成までは、まだもう少しかかりそうですね。

ただ、このビル、田町品川地区の再開発区域に掛かっているらしく、
周辺一帯に大規模な再開発の動きがあるそうなのです!
立ち退きを迫られていたり、結構危機的状況!?
岡さんご本人は「蟻鱒鳶ル保存会」というブログをされていて、
13年建て続けているビルをこれからも守っていこうとされています。


無事、ご夫婦で移住して住むことができるといいですね。
完成形が気になるのはもちろんなのですが、どのように生活されるのかにも興味がわきます。

著書「バベる!自力でビルを建てる男」

筑摩書房から2018年4月24日に出版された「バベる!自力でビルを建てる男」
その目次だけでも紹介すると

という編成で、岡さんの生き様がこの一冊につまっています。
「ここまでやるか!」というほど、一人で何もかもを成されている方で、
自分が一生経験出来ない岡啓輔さんの生き方は、読み応えあります。

漫画化もされている!

実は、自力でビルを建設している岡啓輔さんの生き様は漫画としても描かれています。
新井英樹さんの短編で「せかい!!―岡啓輔の200年―」という作品です。
「ビッグコミックスペリオール4号」に掲載されていたのですが、
『セカイ、WORLD、世界』新井英樹に収録されているようです。 

最後に

マイホームを建てたいという人は多いけれど、こんなに自分でなにもかもやることなんて、他の誰も想像も出来ないのではないでしょうか。それを、イメージして、実行している岡啓輔さん。セルフビルドで13年間建て続けて、なお未完成の「アリマストンビル」。完成形と完成したとき岡啓輔さんが何を思うのかも気になります。すでにさまざまなメディアで取り上げられていますが、これからも取り上げられ続けるでしょうね。本当に200年後まで残って語り継がれていたら・・・なんてすごく夢がありますね。